「食べることは生きること」とよく言われます。我々の身体は日々の食事によって作られており、今生きていられるのは食事を食べているからです。そんな大切な食事のことを、人はつい軽く考えてしまいがちです。今まさに口にしようとしている物は、本当に身体にとって良いものですか？ただ空腹を満たすためだけの道具のようになっていませんか？値段のことだけを重視し、その食品が一体どんなものなのかを少しでも考えているでしょうか？健康な身体づくりのためには、こうした栄養についての知識が欠かせません。
栄養療法とは、このように身体にとって欠かせない栄養について深く考え、健康のために必要な方法を適切に選択して実践していくことです。

1. 患者さんにとって、今何が問題なのかを考えます
   肥満で困っている、糖尿病を何とかしたい、瘦せすぎて体力がない、すぐに風邪をひいてしまう…など、人によってお困りごとは異なります。問題点がわからないと対策が立てられません。自分では気づかない問題があることもあります。まずはしっかりとお話を聞きます。
2. 婦人科系疾患
   （更年期障害、月経不順・月経痛、月経前症候群、月経周期の症状（イライラ、頭痛、めまい、のぼせなど）、肌荒れ、不妊症 など）
3. 最初は基本的な栄養計画に基づいて考えます
   栄養療法には次のような基本があります。
   1日に必要なエネルギー量：計算式より算出栄養バランス：炭水化物・たんぱく質・脂質は、エネルギーのもととなる三大栄養素、ミネラルやビタミンなど

   このように、1日の摂取エネルギー量を決め、炭水化物、たんぱく質、脂質の三大栄養素の必要量をバランスよくとり、ビタミンやミネラルなども欠かさずに摂るというものです。この基本から大きく外れているところがあるかどうかをチェックします。

4. 患者さんの問題点、現状を可視化します
   自分の感覚と、実際が一致しない場合があります。しっかり食べているのに栄養が足りない、逆にダイエットしているつもりで栄養が多すぎる、など。まずは自分の筋肉量、水分量、血液データ、血糖値推移を測定し、「本当の自分」がわかるようにします。
   【検査方法】
   In Body計測血液検査Free Style リブレ装着
5. 伝統的な和食を中心とした食事指導を行います
   色々な食事指導がありますが、基本的には昔ながらの和食を主体にした方が日本人には合っていると考えています。そこに患者さんの体質や好みに応じて、適宜肉類や乳製品なども加えていきます。
6. 院内で実践する運動療法と組み合わせます
   栄養療法は運動療法と必ずセットになります。食事だけを考えても、人は健康になれません。身体の状況に合わせて必要な運動を実施し、総合的に元気になっていけるように計画を立てます。